今日のひとこと
今日並んだ3本は、「AIが役所の電話口に立った」「AIの名前をかたる偽メールが増えた」「AIを入れた人の6割は、まだ自分ひとりの作業を速くするだけ」。同じAIでも、向かっている先はずいぶん違います。
市役所の電話、閉庁時間もAIが一次対応
大阪府豊中市が7月27日から、市民からの電話にAIが音声で応答する実証実験を始めたと発表しています。
対象は子育て給付課(児童手当・保育所入所など)、家庭ごみ事業課(家庭ごみの分別方法)、産業振興課(事業者向け補助金・マチカネポイント)、建築審査課(建築確認に関する手続きなど)の4課です。閉庁時間を含めた24時間の利用や、電話が混雑する時間帯の問い合わせにも対応することをめざす取り組みで、AIが対応できない内容や個別事情の確認が必要な案件は担当職員へつなぐとしています(7月24日・豊中市発表)。
直接の対象は豊中市の市民(事業者向け補助金の窓口も含まれます)です。それでもあなたに効くのは、「平日の昼にしか聞けなかったこと」を夜にたずねられる形が、実証という段階まで来た点です。まだ実験なので、期限や金額に関わる話は最後に職員へ確認しておくのが安全です。
フィッシングの偽装ブランド、ChatGPTが初のトップ10入り
セキュリティ企業チェック・ポイント(Check Point)の四半期レポートで、ChatGPTが「かたられたブランド」の上位10位に初めて入りました。
ブランドフィッシングとは、有名企業になりすました偽メールや偽サイトで情報を盗む手口のことです。同社が自社で集計した2026年第2四半期のレポートによると、最も多くかたられたのはMicrosoftで全体の23%、続いてLinkedIn、Google、Apple、Amazonと並び、この5社で全体の半分以上を占めました。ChatGPTの事例として報告されたのは「ChatGPT Plusの支払いに失敗しました」という偽の請求メールです。OpenAIの支払い通知そっくりに作られたメールで、クレジットカード情報を丸ごと抜き取るためだけに用意されたページへ誘導する手口でした(7月23日・同社発表)。
あなたに効くのは、AIサービスを月額で使い始めた人ほど狙われるようになった、という点です。対策はまずひとつ。「支払い失敗」の通知が来ても、メール内のリンクは踏まない。いつも使っているアプリか、自分でブックマークした公式サイトから入り直して確認してください。まずこれだけでも大きく違います。
業務改善、8割が目標に届かず
従業員300名未満の企業で業務改善に携わった200人のうち、80.5%が目標としていた成果に届いていませんでした。
業務改善の支援サービスを手がけるスタディストが、6月24〜25日にインターネットで実施した調査です(7月24日発表・回答200人・同社調査)。内訳は「目標の半分程度」が46.0%、「ほとんど成果が出なかった」が26.5%、「途中で止まった」が8.0%。本業以外で時間を取られている作業の上位は、社内報告・資料作成が56.5%、メール・チャット対応が43.0%、請求・経費処理などの事務作業が40.0%でした。AI・自動化ツールを会社で導入したことがある人は47.0%(94人)で、そのうち61.7%は使い方が「個人的な作業補助」にとどまっています。
あなたに効くのは、「AIを入れたのに会社が変わった気がしない」理由が、この61.7%に表れている点です。誰かひとりの手元が速くなっただけで、仕事の手順そのものは前のまま。まずは自分が楽になった作業をひとつ選び、隣の人が同じようにできる形に書き出してみてください。
今日のまとめ
今日覚えておきたいのは、AIは「使う」ことより「渡す」ことのほうが難しい、という一点です。小さな次の一歩は、先週AIに任せてうまくいった作業をひとつ選び、その頼み方をそのまま書き写して残しておくこと。会社の手順に育てる出発点になります。もうひとつ、身を守る一歩として「支払い失敗」メールはリンクを踏まないと今日決めておいてください。電話まわりのAIは、週刊どんどんAI 7/26号でも取り上げています。この週の動きは、週刊どんどんAIでも改めて整理します。
※実証実験の内容・対象課・実施期間は変更される場合があります。利用の前に豊中市の公式情報をご確認ください。本記事は特定のサービスの利用を勧めるものではありません。
出典(2026-07-27時点):
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001021.000078420.html (豊中市のAI電話応答サービス実証実験・対象4課・開始日・「24時間の利用をめざす」の原文表現)
- https://blog.checkpoint.com/research/which-brands-are-impersonated-most-inside-the-q2-2026-brand-phishing-report/ (Q2 2026 ブランドフィッシングレポート・ChatGPTの初トップ10入り・偽請求メールの手口)
- https://www.infosecurity-magazine.com/news/chatgpt-most-impersonated-brands/ (同レポートの報道・Microsoft 23%・上位5ブランドで半数超)
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000032315.html (中小企業の業務改善に関する調査・目標未達80.5%とその内訳・AI導入47.0%・個人的な作業補助61.7%)

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